「『働き方』の教科書」(書評)
「『働き方』の教科書 」
著者:出口 治明 (企業家/経営者)
出版社:新潮社(新潮文庫),令和2年
(管理人蔵書)
定価:本体590円 (税別)
オススメ度:☆☆
難易度:中級者向け
ヒトコト感想
著者の出口さんは法曹の世界を志し司法試験を受けるも不合格,滑り止めで日本生命に入社。
その後,還暦を超えてから
「生命保険料を半分にして、安心して赤ちゃんを産み育てることができる社会をつくりたい」
というミッションのもと、なんと「ライフネット生命」を開業してしまうという,凄い経歴の持ち主でいらっしゃいます。
本書ではそんな出口さんが,ご自身のこれまでの経験も交えながら人生の攻略法を教えてくれる一冊です。
本書は以下の全8章から構成されています。
・序章 人生は「悔いなし、遺産なし」
・第一章 人間と人生をどう考えるか
・第二章 仕事と人生の関係
・第三章 二〇代の人に伝えたいこと
・第四章 三〇代、四〇代のうちにやっておくべきこと
・第五章 五〇代になったらなにをするか
・第六章 あなたが生きるこれから三〇年の世界
・終章 世界経営計画のサブシステムを担って生きる
このように本書では仕事中や年代ごとに人生をよりよくするためのアドバイスが詰まっています。
ちなみに,新潮文庫版には
「文庫特別対談『年齢フリー社会』の仕事と働き方」という特典章も付いています。
さて,本書の中で特に私が感銘を受けたのは次の言葉です。
人間は動物である
出口さん曰く原理原則に立ち返るためには,人間が動物であることを忘れてはいけないとのことです。
それもそうです。
私たちはよく自分たち人間(ヒト,ホモサピエンス)とその他の動物とを全く別のものとして考えてしまうところがあるのではないでしょうか?
しかし,いくら相対的に高い知能を持っていようとも結局はホモサピエンスも動物である以上,限界というものがあります。
人間も他の動物と同様に生まれて生きて死んでいく過程で,
「食べる」「寝る」という当たり前のことをする必要があります。
この2つが十分に満たされて初めて,人間は最高のパフォーマンスを発揮できるというわけです。
逆に「根性が足りない」「がんばればなんとかなる」という精神論がなんら役に立たないということも出口さんは本書の中でおっしゃっています。
この本を読んで私も,
「無理してまで頑張るのはやめよう。無理なことは無理とハッキリ言って代わりにできる事を最大限やろう」
と考えるようになりました。
このほかにも本書には人生を攻略するヒントがたくさん詰まっています。
さらに良心的なことに,著者の出口さんは意見・感想を受けるために,
ご自身のメールアドレスも掲載していらっしゃいます。
これから人生を生きる若い人に自分を守るためにも早めに読んでほしい本です。
それとともに,人の上に立つ上司と呼ばれるような立場のおじさん,おばさん達にも
他者を守るために読んでいただきたい本でもあります。
気になる方は是非ご自分で手に取って読んでみてください。
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